N邸「次の百年へ繋げる 古民家再生」

N様の家は江戸時代から続く旧家で、最近市街化が進む金沢市北部の田園地帯に点在する集落にある。この家は百年以上も経つ古民家で元は茅葺屋根 だったと推測される。長い間に度重なる増改築が行われ、玄関土間及び広間(オイ)に多少の面影を残すものの当初の姿は大きく変えられていた。

数年前から空き家の状態で老朽化が進み住みづらくなっていたが、 御家族は歴史や思い出の刻まれたこの家を何とか蘇らせたいと強く思われていた。

その後、インターネットで弊社を知ることになり、メールで古民家再生についての考えを数年間やりとりする時期を経てじっくりと設計に入り、次の百年へ繋 げるという思いで出会いから竣工まで実に5年の歳月がかかった。そして御当主夫婦と、故郷に戻り家業を継がれる予定である若夫婦の二世帯住宅となり、次の 世代へと受け継がれる家に生まれ変わった。

屋敷構えは、母屋は御当主夫婦の居宅、米蔵は若夫 婦の居宅、納屋は車庫に再生して、曳き方によりそれ ぞれの適した位置に移動して基礎工事から行い、奥に ある2棟の道具蔵はそのまま修理した。

そのまま修理した2棟の道具蔵

間取りは当初 からは大きく変わったが、御当主の思い出やこの地方の文化的な特徴は受け継ぎ、ゆったりとした外観にするため大屋根の間口を元の三間から五間に広げるなど平成の大修理にふさわしい再生となるように心がけた。古民家の修理では難しいとされる機能面、明るさ、気密断熱も充実させ、快適な環境を実現し今の時代に即したものとした。

全国の古民家は時代の急激な変化に取り残されつつ ある。深い愛情と長い時間の蓄積で育まれた古民家で あるN家が、今後も幾代にもわたって受け継がれてい
くことを切に願っている。

N邸
・3570.01m (172.46坪)
・1階 454.90m(137.63坪) 2階115.11m (34.83坪)
・木造軸組工法
・所在地:石川県金沢市N邸

外観この地方の伝統的な特徴は受け継ぎつつ、曳き方により適した位置に移動して基礎工事から再生した。アプローチには御影石の延べ段が続く。 大屋根の間口を広げ、ゆったりとした外観に。外壁は漆喰塗りと杉ささら子下見張りの組み合わせ。


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福助(ふくすけ)

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